こんにちは。神戸市中央区、JR「三ノ宮駅」より徒歩30秒にある歯医者「神戸三宮アステオ歯科」です。
歯周病は、歯を失う原因になるだけでなく、全身疾患の原因になる可能性がある病気です。最初は歯茎の腫れや出血などしか現れないので「放っておけばそのうち治る」と簡単に考えている方もいるでしょう。
この記事では、歯周病が引き起こす主な病気について解説します。歯科医院でできるケアや自宅でできる歯周病予防についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
歯周病とは

歯周病は、歯を支えている歯茎や歯槽骨などの歯周組織が、細菌によって炎症を引き起こす病気です。プラーク(歯垢)に含まれる細菌が原因となり、歯茎の腫れや出血から始まって、歯を支える骨が溶けていきます。
初期段階ではほとんど自覚症状がなく、痛みも感じにくいため、気づかないうちに進行していくこともある病気です。歯磨きのときに出血したり、口臭が気になったりする場合は、すでに歯周病が進行している可能性があります。
放置すれば歯がぐらつき、最終的には歯を失う原因になります。単に口の中の健康だけでなく、歯周病が全身の健康に影響を及ぼすこともあるため、早めに治療することが大切です。
歯周病が引き起こす主な病気

前述したとおり、歯周病は歯を失う原因になるだけでなく、全身の健康にも深く関わっています。ここでは、歯周病によって引き起こされる主な病気について解説します。
心筋梗塞
心筋梗塞は、動脈硬化によって血管が狭くなったり詰まったりして心筋に血液が届かなくなる病気です。最悪の場合、死に直結するおそれがあります。
高血圧や脂質異常症などさまざまなリスク要因がありますが、歯周病も関連していると考えられています。歯周病の原因菌から動脈硬化を促す物質が出て血管内に血の塊ができ、動脈硬化を進行させる可能性があるのです。
脳梗塞
脳梗塞は、脳の血管が詰まって酸素や栄養が届かなくなることで、脳細胞が死滅する病気です。心筋梗塞と同様に、歯周病の原因菌が血管内に入り、動脈硬化を進行させることで脳梗塞のリスクを高める場合があります。
歯周病でない人と比べて、歯周病のある人は脳梗塞になりやすいといわれています。
糖尿病
糖尿病は、血糖値を下げるインスリンの分泌や働きが低下することで、血糖値のコントロールがうまくできなくなる病気です。歯周病になると、細菌が歯肉から血管内に入り込み、インスリンの働きを妨げることがあります。
その結果、血糖値が上昇し、血糖コントロールが難しくなるのです。
また、高血糖状態が続くと免疫力が下がり、歯周病が進行しやすくなります。歯周病と糖尿病は、どちらか一方が悪化するともう一方も悪化しやすい相互関係があると考えられているため、両方の治療を並行する必要があります。
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液などと一緒に口腔内の細菌が誤って気管や肺に入り込むことで起こる肺炎です。高齢者や嚥下機能が低下した方に多くみられます。
歯周病を放置すると、口腔内に細菌が多く繁殖し、誤嚥時にそれらが肺に入ることで肺炎を引き起こすリスクが高まるのです。
早産・低体重児出産
妊娠中の女性が歯周病にかかっていると、早産によって低体重児を出産するリスクが高くなるといわれています。歯周病菌によって作られる炎症性の物質が、胎盤を通して胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
また、妊娠中はホルモンの影響で歯茎が腫れやすく、歯周病にかかりやすい時期でもあります。妊娠前、少なくとも妊娠初期からの口腔ケアや定期検診が重要です。
歯周病を予防するために歯科医院で行うこと

歯周病は初期段階では痛みを感じないことも多く、気付かないうちに進行している場合もあります。歯科医院では、歯周病を予防するためのケアを受けることが可能です。
ここでは、歯科医院で受けられる予防法について紹介します。
歯科検診を受ける
歯周病を予防するためには、定期的に歯科検診を受けましょう。歯や歯茎の状態をチェックし、歯周病の兆候がないか確認することが目的です。歯周ポケットが深くなっている場合は、歯石除去(スケーリング)やブラッシング指導などが行われます。
歯周病を初期段階で発見できれば、簡単な治療で治せる可能性もあります。受診頻度は歯や歯茎の状態によって異なりますが、3〜6ヶ月に一度程度を目安に受診しましょう。
ブラッシング指導を受ける
毎日歯を磨いていても、磨き方に癖があったり磨き残しが多かったりすると、歯周病は防げません。歯科医院では、一人ひとりの口腔内の状態や磨き癖に合わせて、正しい歯の磨き方や適切な歯ブラシの選び方を指導してもらえます。
自分に合ったブラッシング指導を受けることで、自宅でのセルフケアの質を高められるでしょう。
クリーニングを受ける
歯周ポケットにプラークが残って固まってできた歯石は、歯ブラシだけでは取り除けません。歯科医院では、専用の器具を使って歯石除去を行います。これにより、歯周病の原因となる細菌を徹底的に除去でき、歯周病の進行を食い止められるのです。
また、磨き残しによるプラークも除去してもらうことで、歯周病だけでなく虫歯予防にもつながります。定期的にクリーニングを受けると、歯の健康を維持できるでしょう。
歯周病を予防するために自宅でできること

歯周病を防ぐためには、歯科医院での専門的なケアだけでなく、自宅での毎日のセルフケアが大切です。ここでは、自宅でできる歯周病の予防法について解説します。
正しく歯磨きを行う
歯周病予防の基本は、丁寧なブラッシングです。歯と歯茎の境目にブラシの毛先を45度の角度で当て、やさしく小刻みに動かして磨きましょう。歯茎を傷つけないよう、鉛筆を持つように歯ブラシを持ち、毛先が広がらない程度の力で磨きます。
就寝中は口腔内が乾燥して細菌が繁殖しやすいため、特に寝る前は丁寧に歯磨きをしましょう。
デンタルフロスや歯間ブラシを使う
歯ブラシだけでは落とせない歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシを使って取り除きましょう。特に、歯と歯、歯茎にできるブラックトライアングルと呼ばれる隙間があると、食べかすが詰まりやすく、歯周病を引き起こすリスクが高まります。
隙間が大きい部分は、適切な太さの歯間ブラシを使用して汚れを取り除くことが大切です。自分に合った補助用具がわからない場合は、歯科医院でアドバイスを受けましょう。
食生活を改善する
歯周病予防には、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。例えば、ビタミンCはコラーゲンの合成を促進して歯茎の組織を強くし、炎症の抑制にも役立ちます。カルシウムは歯や骨の強化に欠かせません。
また、唾液には口腔内の細菌を洗い流す作用があるため、しっかり噛んで唾液の分泌を促すことも歯周病予防には重要です。繊維質の多い食材やよく噛む必要のある食品を意識的に取り入れましょう。
一方で、砂糖の多いお菓子や甘い飲み物は細菌のエサとなるため、プラークが溜まりやすくなります。歯周病予防のためには、糖分の多い食品をできるだけ控え、栄養バランスの良い食事を摂りましょう。
禁煙する
タバコは、歯周病の大きなリスク因子のひとつです。ニコチンが血流を悪くすることで、歯茎に必要な栄養や酸素が届きにくくなり、炎症が悪化しやすくなります。また、免疫機能も低下し、歯周病の治りが遅くなる傾向があります。
歯周病を防ぎたい方、すでに治療中の方は、禁煙を心がけましょう。
規則正しい生活を送る
ストレスの多い生活や睡眠不足が続くと、免疫力が低下し、歯周病の原因菌に対する抵抗力も弱まります。炎症が起こりにくく、歯周病になりにくい体にするためには、栄養バランスの取れた食事と十分な睡眠、適度な運動が大切です。
また、趣味の時間を設けたり友人と話したり、ストレスを溜め込まないよう心がけましょう。規則正しい生活を送ることで、歯の健康維持にもつながります。
まとめ

歯周病は、歯茎の腫れや出血などの症状から始まり、最悪の場合、歯を失いかねない病気です。歯周病を放置すると、糖尿病や心筋梗塞、誤嚥性肺炎など、さまざまな全身疾患のリスクが高まるとされています。
歯周病を予防するには、毎日の歯磨きや栄養バランスのとれた食事など、生活習慣が大切です。自宅での心がけに加えて、歯科医院で定期検診を受けると、歯周病になっていても初期段階で進行を食い止められます。
気になる症状がある方は、できるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。
歯周病の治療を検討されている方は、神戸市中央区、JR「三ノ宮駅」より徒歩30秒にある歯医者「神戸三宮アステオ歯科」にお気軽にご相談ください。
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