こんにちは。神戸市中央区、JR「三ノ宮駅」より徒歩30秒にある歯医者「神戸三宮アステオ歯科」です。
「親知らずが横向きに生えていると言われたけれど、抜くべきなのか迷っている」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。横向きの親知らずは抜歯を検討されることが多いですが、なぜ横向きに生えるのでしょうか。
この記事では、親知らずが横向きに生える原因や抜歯の必要性、さらに抜歯後の注意点について詳しく解説します。親知らずに関する疑問を解消し、適切な対応ができるよう参考にしてください。
親知らずが横向きに生える原因

親知らずが横向きに生える主な原因には、顎の骨のスペース不足が挙げられます。現代人は、食生活の変化などにより顎が小さくなっている傾向があり、親知らずが生えるための十分なスペースが確保できないことがあります。
また、親知らずが他の永久歯が既に生え揃った15歳から20歳頃に生えてくることも、正しく生えるスペースがなくなる原因の一つです。その結果、親知らずが歯茎の中で斜めや横向きに生えることがあるのです。
また、親知らずの生え方は、遺伝的な要因も関係しています。両親や兄弟に親知らずが横向きに生えた方がいる場合、ご自身も同様の生え方をする可能性が高まります。
横向きに生えた親知らずは抜いたほうがいい?

横向きに生えた親知らずは、放置するとさまざまなリスクが生じるため抜歯が推奨されることが多いです。
しかし「今は痛みもないのに本当に抜かなければいけないのか」と疑問を抱く方もいるでしょう。ここでは、抜歯の必要性について解説します。
横向きの親知らずがもたらすリスク
横向きに生えた親知らずは、さまざまな問題を引き起こすリスクがあります。
まず、横向きに生えた親知らずは隣接する歯を圧迫し、歯並びを乱す原因となることがあります。次に、歯磨きが難しくなることから、食べかすやプラークが溜まりやすくなり、その結果、親知らずや周囲の歯の虫歯や歯周病のリスクが高まります。
さらに、親知らずの周囲の歯茎が炎症を起こす智歯周囲炎(ちししゅういえん)を引き起こすと、痛みや腫れが発生し、日常生活に支障をきたすことがあります。また、親知らずの周囲に膿が溜まった袋状の病変である、嚢胞(のうほう)が形成されることもあります。
嚢胞が大きくなると、周囲の骨を溶かすなどの悪影響を及ぼす可能性があります。
症状がない場合でも油断は禁物
「今のところ痛みもないし、様子を見たい」という方も多いかもしれません。
しかし、症状がなくても、横向きに生えていることで知らず知らずのうちに隣の歯を圧迫してダメージを与える可能性があります。加えて、炎症が急に起こると、頬が大きく腫れて日常生活に支障をきたすことも考えられます。
このため、歯科医師がレントゲンなどで親知らずの位置を確認し、将来的に問題が起きるリスクが高い場合は、症状が出る前に抜くことが推奨されます。完全に骨の中に埋まっていて、痛みや腫れなどの症状や周囲の組織への悪影響がない場合は、抜歯の必要はないこともあります。
ただし、そのような場合でも、将来的に問題が起こる可能性も考慮し、定期的な歯科検診で経過を観察していくことが重要です。
横向きに生えた親知らずを抜く流れ

親知らずを抜歯すると聞くと「痛い」「怖い」といったイメージを持つかもしれません。横向きに生えた親知らずの抜歯は、通常の歯の抜歯よりも複雑になる場合があります。
しかし、事前に流れを把握しておくことで、抜歯に対する不安を軽減し、気持ちを落ち着けることができます。ここでは、実際の抜歯の一般的な流れについて詳しく見ていきましょう。
事前の診察とレントゲン撮影
歯科医師の診察を受け、親知らずの位置や状態を確認します。レントゲンやCTスキャンを使用して、親知らずがどのように埋まっているか、神経や血管との距離を把握します。
この診断に基づいて、抜歯の適切な方法、患者さまの全身状態や既往歴、リスクなども考慮し、安全な治療計画が立てられます。この時、親知らずが深く埋まっていたり神経に近かったりして難しい抜歯になると判断された場合は、口腔外科での処置が提案されることもあります。
麻酔をかける
抜歯を行う部分とその周辺に、局所麻酔を行います。場合によっては、静脈内鎮静法などの麻酔方法が選択されることもあります。麻酔がしっかりと効いていることを確認してから、抜歯を開始します。
抜歯の開始
横向きに埋まっている親知らずの場合、そのまま引き抜くことが難しいため、歯茎を切開して親知らずを露出させる必要があります。また、親知らずの周りの骨が硬い場合は、骨を少しずつ削りながら親知らずを取り出しやすい状態にします。
さらに、親知らずが大きくそのままでは抜きにくい場合は、歯科用の器具で歯を分割して、数回に分けて取り出すことがあります。いずれの場合も、周囲の組織を傷つけないよう慎重に抜歯を進めていきます。
止血と縫合
親知らずを抜いた後は、出血を止めるために抜いた後の穴(抜歯窩)に止血剤を挿入したり、ガーゼを噛んで圧迫したりして止血を行います。必要に応じて、歯茎を切開した部分を縫合することもあります。
術後の説明と注意
抜歯後には、痛みや腫れを抑えるための薬や、感染予防のための抗生物質などが処方されます。また、術後の注意点(食事、歯磨き、安静など)について、歯科医師や歯科衛生士から詳しい説明があります。
経過観察
抜歯後、数日~1週間程度で腫れや痛みがピークを迎えることがあります。歯科医師の指示に従い、処方された薬を服用し、安静に過ごしてください。
その後、必要に応じて抜糸や消毒のために再度来院することになります。不安なことがあれば、その際に遠慮せずに歯科医師に質問しましょう。
親知らずを抜いたあとの注意点

親知らずを抜いた後は、以下の点に注意して過ごすことが大切です。これらの注意点を守ることで、痛みや腫れを最小限に抑え、感染のリスクを減らし、治癒を促進できます。
抜歯当日の注意点
抜歯直後は、ガーゼを噛んで止血を行います。通常30分~1時間程度で出血は落ち着きますが、大量に出血する場合は歯科医院に連絡してください。唾液に血が混じる程度であれば心配ありません。
また、口の中に血の味がして気になるかもしれませんが、強いうがいや頻繁なうがいは避けましょう。傷口を保護し治癒を促進する役割を果たす、血餅(けっぺい)が形成されるのを妨げる原因になります。
また、麻酔が効いている間は食事を控え、熱い飲み物や硬い食べ物を避けることが重要です。
痛みが強い場合は、歯科医師から処方された鎮痛剤を適切に服用することが最も効果的です。痛みがさらに強くなる前に服用することで、痛みをコントロールしやすくなります。市販の痛み止めを使用する場合は、薬剤師に相談して安全に使用してください。
さらに、頬の上からタオルで包んだ保冷剤などを当てても、腫れや痛みを和らげる効果があります。冷やしすぎると血行が悪くなるため、適度な間隔で行うことが重要です。
抜歯後数日間の注意点
術後2〜3日は激しい運動や長時間の入浴を控え、安静に過ごすことが推奨されます。これにより、出血や腫れを防ぐことができます。
また、喫煙や飲酒は血流を促進し、傷口の治癒を遅らせる可能性があるため避けましょう。
食事について
抜歯後数日は、おかゆやスープ、ヨーグルトなど柔らかく消化の良い食事を摂るようにしましょう。熱いものや硬いもの、刺激物(香辛料など)は避け、抜歯した反対側の歯で噛むようにしてください。
飲み物をストローで強く吸うと、血餅が剥がれて出血しやすくなるため避けましょう。
口腔ケアについて
抜歯した部分を避けながら優しく歯磨きを行い、強いうがいは控えましょう。傷口を刺激しないようにすることで、治癒をスムーズに進められます。
処方された薬の服用について
痛み止めや抗生物質など、処方された薬は歯科医師の指示通りにきちんと服用してください。痛み止めは、痛みが我慢できない場合に無理せず服用しましょう。
特に、抗生物質は、感染予防のために必ず最後まで飲み切ることが大切です。
異常を感じたらすぐに連絡する
抜歯後数日経っても痛みや腫れが引かない、出血が続く、高熱が出るなどの異常を感じた場合は、我慢せずにすぐに歯科医院に連絡しましょう。何らかの問題が起きている場合、早急に対処することが重要です。
まとめ

親知らずが横向きに生える原因は、顎のスペース不足や萌出方向の問題、遺伝的な要素などさまざまです。横向きのまま放置しておくと、炎症や歯並びの乱れ、隣の歯への悪影響といったトラブルを招く可能性があります。
このようなリスクを避けるため、多くの場合は早期に抜歯することが望ましいとされます。抜歯の流れやその後の注意点を理解しておくことで、不安を最小限に抑えられるでしょう。
親知らずが横向きに生えていると診断された方は、自己判断で放置せず、信頼できる歯科医院で一度詳しく相談してみてください。
親知らずの抜歯を検討されている方は、神戸市中央区、JR「三ノ宮駅」より徒歩30秒にある歯医者「神戸三宮アステオ歯科」にお気軽にご相談ください。
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