こんにちは。神戸市中央区、JR「三ノ宮駅」より徒歩30秒にある歯医者「神戸三宮アステオ歯科」です。
顎を動かすとカクカクと音が鳴ったり、口を開けると痛みを感じたりすることはありませんか。それは顎関節症(がくかんせつしょう)の可能性があります。
顎関節症は、日常生活に支障をきたすこともある疾患ですが、初期症状が軽いことが多く、放置されやすい傾向にあります。
しかし、放っておくと悪化する可能性があり、最終的には食事や会話すら困難になるケースもあります。さらに、症状が進行すれば医療機関での本格的な治療が必要になることもあるため、症状がある場合は早めに対応することが大切です。
今回は、顎関節症とは何か、放置するとどのようなリスクがあるのか解説します。治療法や予防策についても解説しますので、顎関節症の症状がある方は、ぜひ参考にしてください。
顎関節症とは

顎関節症とは、口を開けたり閉じたりするときに使う顎の関節やその周りの筋肉にトラブルが起こることで、痛みや動かしにくさなどの症状が出る病気です。
たとえば、口を開けたときにカクッと音が鳴る、あくびをすると顎が痛む、口が大きく開かないといった症状が代表的です。
このような症状は一時的なものと思われがちですが、放っておくと悪化して、日常生活に支障をきたす可能性があります。さらに、肩こりや頭痛、耳鳴りなど、全身の不調と関係することもあり、単なる顎の問題では済まされないケースも少なくありません。
原因は一つではありません。歯ぎしりや食いしばり、ストレス、噛み合わせの乱れ、さらには長時間のスマホやパソコン作業による姿勢の悪さなど、さまざまな要素が影響しています。
最近では、無意識のうちに顎に負担をかけている人も増えており、誰にとっても身近な問題といえるでしょう。
特に20〜40代の女性に多く見られる傾向があり、年齢や性別に関係なく起こる可能性があるという点でも注意が必要です。症状が軽いうちに気づいて対処することが、悪化を防ぐための第一歩となります。
顎関節症を放置することによるリスク

顎関節症の症状を軽視して放置すると、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。以下では、具体的なリスクについて解説します。
慢性的な痛みと生活の質の低下
顎関節症を放置すると、痛みが慢性化し、口の開閉が困難になることがあります。これにより、食事や会話が不自由になり、日常生活の質が大きく低下するおそれがあります。
特に食事制限が続くと、栄養バランスが崩れ、体調不良を引き起こす原因にもなります。また、顎の痛みが続くと、集中力の低下やイライラといった精神的ストレスを感じることもあるでしょう。
他の関節や筋肉への負担
顎関節症による噛み合わせの異常や顎の動きの偏りは、首や肩、背中の筋肉にまで影響を及ぼします。これにより、肩こりや首の痛み、姿勢の悪化などの二次的な問題が生じることがあります。
特に、片側だけで噛む癖があると、左右の筋肉バランスが崩れ、身体全体の歪みに繋がることもあります。
開口障害の進行
顎関節症を放置すると、口を十分に開けられなくなる開口障害が悪化することがあります。
最初は少し開けづらい程度でも、徐々に可動域が狭まり、指1本分ほどしか開けられなくなるケースもあります。これにより、会話や食事が困難になるなど、生活全般に支障をきたします。
精神的な影響
痛みや不快感が続くことにより、ストレスや不安が増し、精神的な負担も大きくなります。
睡眠の質が低下したり、仕事や学業への集中力が落ちたりと、日常生活に多方面で影響を及ぼすこともあります。慢性的な痛みによってうつ症状を引き起こすこともあるため、精神面のケアも重要となります。
顎関節症は身体だけでなく心にも影響を与える可能性があるという点を見落としてはなりません。
顎関節症を治療する方法

顎関節症の治療は、症状の程度や原因によってさまざまな方法が選択されます。ここでは、代表的な治療法をご紹介します。
スプリント療法
スプリント療法は、就寝中などに専用のマウスピース(スプリント)を装着することで、顎関節への負担を軽減する治療法です。歯ぎしりや食いしばりによる筋肉の緊張を和らげ、関節の位置を安定させる効果があります。
理学療法
理学療法では、顎の筋肉を柔らかくし、関節の動きをスムーズにするためのマッサージやストレッチ、温熱療法などが行われます。
口の開け閉めの訓練や、筋肉の緊張をほぐす手技療法などがあり、軽度の症状から中等度の顎関節症に用いられます。また、姿勢の改善指導も併せて行うことで、再発を防ぐ効果も期待できます。
理学療法は継続的な施術が必要となることもありますが、副作用が少なく、安全性の高い方法です。
薬物療法
薬物療法では、痛みや炎症を抑えるために消炎鎮痛剤が使用されます。場合によっては、筋肉の緊張を緩和する筋弛緩剤や、不安を軽減する抗不安薬が処方されることもあります。
薬だけで症状が完全に改善するわけではありませんが、ほかの治療法と併用することで、症状の緩和を促進します。
外科的治療
顎関節症は、多くの場合、スプリント療法や理学療法などの保存的な方法で改善が見込めます。
しかし、それでも症状が良くならない場合には、外科的な治療が検討されることもあります。
具体的には、関節内洗浄療法という関節の中を洗い流して炎症を抑える方法や、内視鏡を使用して処置を行う関節鏡視下手術などがあります。
こうした外科的治療は、専門性の高い処置であるため、事前に精密な検査や診断が欠かせません。また、手術には一定のリスクが伴うため、患者さん自身の症状や生活への影響などを踏まえて、慎重に判断されるべき治療法です。
あくまで、外科的な治療は最終手段です。まずは保存療法で改善を目指し、それでも症状が改善しないときに限って検討されることが一般的です。だからこそ、早めに適切な治療を受けることが大切なのです。
顎関節症を予防するためにできること

顎関節症を未然に防ぐためには、日常生活のなかでの意識や習慣の見直しが大切です。ここでは、予防のために実践できる具体的な方法をご紹介します。
正しい姿勢を保つ
長時間のデスクワークやスマートフォンの操作により、前かがみの姿勢が続くと、顎関節に負担がかかりやすくなります。首が前に出た姿勢は、顎を引く筋肉に無理な力がかかり、顎関節症の原因となることがあります。
そのため、日常的に背筋を伸ばし、頭の位置を正しく保つよう心がけることが大切です。椅子に座る際は、足裏を床につけ、骨盤を立てて座るよう意識しましょう。
歯ぎしりや食いしばりを防ぐ
歯ぎしりや無意識の食いしばりは、顎関節に大きな負担をかけます。これらはストレスと密接な関係があり、日中の緊張時や就寝中に起こることが多いです。
予防のためには、ストレスを軽減する工夫が必要で、リラックスできる時間を意識的に持つことや、寝る前に顎の筋肉をマッサージすることも有効です。
また、歯科医院でマウスピースを作成してもらい、就寝時に装着することで歯ぎしりによるダメージを防げます。
やわらかいものばかり食べない
噛む回数が少なくなると、顎の筋肉が衰え、関節の機能にも悪影響を及ぼします。近年は、やわらかい食事が多くなりがちですが、適度に噛み応えのある食材を取り入れることが、顎の健康維持には欠かせません。
ただし、硬すぎる食べ物や片側だけで噛む習慣は逆効果になることがあるため、バランスよく左右の歯を使って噛むことが重要です。
頬杖やうつぶせ寝を避ける
無意識に行ってしまいがちな頬杖やうつぶせ寝は、顎に偏った力をかける原因となります。
これらの習慣が続くと、顎関節にズレが生じ、痛みやクリック音の発生につながることがあります。特に頬杖は、片側だけに長時間圧力がかかるため、左右の筋肉のバランスが崩れやすくなります。
寝るときは仰向けで寝るよう心がけ、枕の高さや硬さにも注意を払いましょう。正しい寝姿勢は顎関節の健康維持に役立ちます。
まとめ

顎関節症は、軽度の症状でも放置すると、痛みや開口障害、さらには全身への不調へと進行する可能性があります。生活の質に大きな影響を与える可能性もあるため、決して軽視できない病気です。
適切な治療を受けることで症状の改善が期待できます。また、予防のための生活習慣の見直しも非常に重要です。顎関節に違和感がある場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。
顎関節症の症状にお悩みの方は、神戸市中央区、JR「三ノ宮駅」より徒歩30秒にある歯医者「神戸三宮アステオ歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、歯科治療から根管治療(歯根治療)、審美的なセラミック治療まで様々な治療を提供しています。診療案内ページはこちら、ネット診療予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。














