こんにちは。神戸市中央区、JR「三ノ宮駅」より徒歩30秒にある歯医者「神戸三宮アステオ歯科」です。
入れ歯を使用している方のなかには「最近よく入れ歯が外れる」「話しているとズレる」「食事中に浮いてくる」といった悩みを抱えている人が少なくありません。入れ歯は、加齢やお口の環境の変化などによって合わなくなることがあります。
合わない入れ歯を無理に使い続けると、口内炎や痛み、さらには噛みづらさによる食事の偏りなど、全身の健康にも影響を及ぼす恐れがあります。
今回は、入れ歯が外れる原因と外れるときの対処法について詳しく解説します。入れ歯を快適に使い続けるための参考にしてください。
入れ歯が外れる原因

入れ歯が外れる原因は、さまざまです。以下では、入れ歯が外れる原因について詳しく解説します。
顎の骨や歯茎の変化
顎の骨や歯茎の形が時間とともに変化すると、入れ歯が外れやすくなります。
歯を失うと、その部分の骨は少しずつ痩せていきます。この骨の吸収は自然な生理現象であり、入れ歯を作った当初はぴったり合っていても、数年経つと土台が変わり、入れ歯が合わなくなってしまうのです。
特に総入れ歯の場合は、骨の変化が大きく影響し、安定感を失いやすくなります。また、歯茎の柔らかさや厚みも個人差があり、年齢や体調によって変動するため、それも外れやすさに関係します。
噛み合わせのズレ
噛み合わせがずれていると、入れ歯に不均等な力がかかり、片側だけが浮いたり動いたりすることがあります。これは入れ歯の位置がわずかにずれているだけでも起こることがあり、特に部分入れ歯の場合に多く見られます。
周囲の天然歯の位置や傾きが少し変化するだけでも、入れ歯全体のバランスが崩れるのです。
また、長年使用しているうちに入れ歯の歯面がすり減り、咬合力の分配が不均等になることも原因となります。そのため、定期的に歯科医院で噛み合わせを確認してもらうことが大切なのです。
入れ歯の変形・破損
入れ歯は日常的に使用しているうちに、少しずつ変形することがあります。
熱湯での洗浄や強い力でのブラッシング、誤って落とした衝撃などが原因で、わずかに歪むこともあります。部分入れ歯の場合は金属のバネが緩んだり、総入れ歯では床(しょう)部分が反ったりすることで、吸着力が低下することもあるでしょう。
見た目では問題なさそうに見えても、実際にはわずかな変形が外れやすさにつながっている場合が多いのです。違和感を覚えたら、自己判断で修理せず、歯科医師に相談することが重要です。
唾液の量や状態の変化
唾液は入れ歯の安定に欠かせない役割を果たしています。唾液の薄い膜がクッションのような働きをして、入れ歯を歯茎に密着させるのです。
しかし、加齢や薬の副作用、ストレスなどによって唾液の分泌量が減ると、この吸着力が低下し、入れ歯が外れやすくなります。また、唾液が粘ついている場合も滑りが悪くなり、動きにくさを感じることがあります。
お口の乾燥を防ぐためには、水分補給をこまめに行うことが大切です。
入れ歯が外れやすい状態が続くと

入れ歯が外れやすいまま放置すると、見た目の問題だけでなく、健康面にも悪影響が及びます。ここでは主なリスクを解説します。
口腔内の粘膜に負担がかかる
外れやすい入れ歯を無理に使い続けると、動くたびに歯茎や頬の内側の粘膜を擦ることがあります。その結果、炎症が起きたり、口内炎や傷ができたりすることがあるのです。特に総入れ歯の方は、入れ歯全体が動くことで広い範囲に痛みを感じやすくなります。
また、粘膜が慢性的に刺激を受けると、傷が治りにくくなり、感染症を引き起こすリスクも高まります。そのため、入れ歯が動くときは、早めに調整を受けることが大切です。
周囲の歯への負担が増える
部分入れ歯の場合、バネ(クラスプ)をかける歯に過剰な力がかかると、その歯が揺れたり、痛みを感じたりすることがあります。
入れ歯が外れやすい状態では、咀嚼のたびに入れ歯がずれて力のかかり方が不均等になり、支えとなる歯の寿命を縮めてしまうこともあります。特に噛み合わせが悪いと、左右どちらか一方に強い負担が集中するため注意が必要です。
定期的に歯科医院で調整してもらうことで、残っている歯を守ることができます。
栄養バランスの偏りによる体調不良
入れ歯が安定しないと、硬い食べ物や弾力のある食材を避けるようになります。その結果、食事の内容が偏り、栄養不足に陥ることがあります。特にたんぱく質や食物繊維の摂取が減ると、筋力の低下や便秘、免疫力の低下を招くこともあるでしょう。
食べやすさを優先するあまり、噛む力を使わなくなると、顎の筋肉が衰えて入れ歯の安定性がさらに悪化するという悪循環にもつながります。
使用中に入れ歯が外れるときの対処法

外れやすい入れ歯を使用し続けると、会話中の不快感や食事中のストレスの原因になるだけでなく、顎の骨に負担がかかり歯茎が傷つくリスクも高まります。以下では、外れやすいときの対処法について解説します。
入れ歯安定剤の使用
一時的な対処として有効なのが、入れ歯安定剤の使用です。安定剤は、入れ歯と歯茎の間にクッションを作り、吸着を助ける役割があります。
ただし、あくまで一時的な補助であり、長期間の使用は推奨されません。安定剤を使っても違和感が残る場合は、入れ歯自体が合っていないサインです。入れ歯安定剤の使用については歯科医師の指導に従い、長期間の使用は避けましょう。
噛み合わせのチェックと調整
噛み合わせがずれていると、どんなに入れ歯を安定させても外れやすくなります。
歯科医院では、噛み合わせたときの力のかかり具合を確認し、微調整を行います。小さなズレでも大きな違いが出るため、痛みや違和感があるときは、早めに歯科医師に相談してください。特に新しい入れ歯を作った直後は、数回の調整が必要なこともあります。
入れ歯の清掃と保湿の徹底
入れ歯が汚れていたり乾燥していたりすると、吸着力が低下して外れやすくなります。毎食後は専用ブラシで清掃し、寝る前には入れ歯洗浄剤で汚れを落とすようにしましょう。夜間は水または保湿液に浸けておくことで、変形や乾燥を防げます。
また、口の中が乾燥していると入れ歯が密着しにくくなるため、保湿剤を併用するのも効果的です。
定期的な歯科検診と入れ歯のメンテナンス
入れ歯は消耗品であり、定期的なメンテナンスが欠かせません。3か月から半年に1回は歯科医院でチェックを受け、必要に応じて裏打ち(リライニング)をしてもらいましょう。これにより、歯茎の変化に合わせて入れ歯を再調整できます。
また、噛み合わせの確認や金具のゆるみも点検してもらうことで、長く快適に使い続けることが可能です。
入れ歯の作り直しの検討
長年使用している入れ歯は、どうしても変形や摩耗が進みます。3〜5年を目安に、作り直しを検討することも重要です。顎の形や口の中の状態に合わせて新しく作ることで、フィット感が格段に向上します。
最新の入れ歯は素材や技術も進化しており、軽くて自然な装着感を得られるものも増えています。
まとめ

入れ歯が外れやすくなる原因には、顎の骨や歯茎の変化、噛み合わせのズレ、唾液の減少など、いくつもの要素が関係しています。こうした状態を放っておくと、口内の痛みや炎症、食事の偏りによる体調不良など、さまざまなトラブルにつながることがあります。
もし入れ歯が外れやすいと感じたら、まずは入れ歯安定剤の使用や、歯科医院でのメンテナンスを検討しましょう。根本的に解決するためには、歯科医師による調整が欠かせません。状態によっては新しい入れ歯の作り直しが提案されることもあります。
快適に噛める入れ歯で毎日の食事を楽しむためにも、定期的に歯科医院でチェックを受けましょう。
入れ歯を検討されている方は、神戸市中央区、JR「三ノ宮駅」より徒歩30秒にある歯医者「神戸三宮アステオ歯科」にお気軽にご相談ください。
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